品種:トレパット
スペイン カタルーニャ コステルス・デル・セグレ
黒ぶどうトレパットを即プレスし、半分をアンフォラ半分をステンレスタンクで発酵させ、残糖のあるうちに瓶に詰めて発酵を継続し造ったユニークなペティヤン・ナチュレル。赤に近い濃いピンク色。赤い花や果実感があり、ミネラリーな風味。アルコール度11度で残糖6gのほんのり甘みのあるフレッシュな味わい。生産量2308本のみの限定品。
バルセロナから西へ100km程行ったところにコステルス・デル・セグレというDOがある。ここにレリダ地区で始めてビオによりぶどう栽培を始めたボデガ”カサ・パルデ”がある。現オーナー、ホセ・トーレスは14歳の若さで、1993年に両親から受け継いだぶどう畑でワイン造りを始めた。自然な手法によるワイン造りしか考えていなかったホセは、当初よりビオにて、98年からはビオディナミによってぶどう栽培を行っている。
そして、2000年からは亜硫酸も使用せず、ノー・フィルター、ノー・クラリフィケーション(清澄化)によるワイン造りを独自に確立した。
ホセの目指しているぶどう栽培は、土壌の活性化と多様性だ。この地は乾燥しているので病気の心配はさほどないが、土地は痩せている。3月になると、牧場を営んでいる友人から譲ってもらった堆肥を2年間掛けて発酵させた自家製の有機堆肥を土に入れるが、これはぶどうの樹に与えるという意味もあるが、土壌に生息する微生物を活性化させ、土壌全体の生物多様性を豊かにする事が主な目的だ。
彼の畑には近隣の畑と違い沢山の種類の雑草が生えている。それが多様な昆虫や生物を育んでくれる訳だ。カノコ草やイラクサなどビオディナミに使用する薬草も豊富だ。ぶどうの実りの季節になると、畑に生えている多様なハーブや植物がぶどう粒の表面の蝋質に付着し、ワインに複雑な味わいを与える。