品種:ネロ・ディ・トロイア(樹齢80年超)
イタリア プーリア州
石灰岩主体の粘土とのミックス土壌。約1キロ先に元石灰岩の採掘場があるほどで、畑の土壌から5メートル下は石灰岩の岩盤。1年ステンレスタンク熟成+8ヶ月トンノーで熟成。その後さらに1年ステンレスタンクで熟成。 ノンフィルター、ノンコラージュ
13ラーメとは「13の剣」の意味。1503年2月13日、イタリアの国家統一前に「イタリア人」という意識を生み出すきっかけの一つなった、イタリア人対フランス人の間で行われた決闘に参加した13人のイタリアの騎士にちなんだ名前。この決闘はサン・ルッジエーロのあるプーリア州バルレッタの街で行われ、地元愛いっぱいのサン・ルッジエーロはこの決闘にちなんだ名を自分のワインに付けた。
最高の条件の年にしか仕込まないワイン。「本物のネロ・ディ・トロイアはゆっくり熟す」というサン・ルッジエーロの言葉をこのワインが裏付けている。2013VTは気候的にとても恵まれた年。適度に雨があり、夏場の暑さも例年に比べ厳しくなくなかった。成熟期の昼夜の寒暖差もありぶどうのアロマが凝縮。熟れたラズベリーやチェリー系の芳醇な果実の香り。熟成により力強いタンニンが滑らかに果実に溶け込み、複雑実と繊細さを与え、エレガントな仕上がりに。樹齢80年超えのネロ・ディ・トロイアの「強烈にパワフルな果実味と、タンニン」を見事にエレガントに表現している。
彼の畑があるのは、ローマ時代からの港町、今でもリゾートとして有名がバルレッタ。生家は決して裕福ではなく、勉強のかたわら14歳から医学部を卒業するまで学資を得るため夏休みを利用して畑仕事を続けた。おかげで農業の知識は十分にあり、生化学、生物学などの基礎知識がぶどう造り・ワイン造りに大いに役に立っている。
また、チェファリッキオの元醸造家パスクワーレ・パストーレ氏をエノロゴに迎えたことも大きく作用した。土地のぶどうの味を変えることなく、そのままワインにしたいというルッジエーロの考えと醸造家の考えは完全に一致し、無農薬栽培、自然酵母発酵、
ワインの無調整は言うまでもなく守られている。
おじいさんが造っていたワインを馬車で運搬していた頃から一緒に過ごし、
子供の頃に嗅いだ樽のワイン香がルッジエーロは忘れられないとのこと。
当時のプーリアのワインといえば高いアルコールと強いタンニンを隠すことなく、
もっぱら北イタリアやフランスにバルク売りされていた時代。その時の記憶を忘れることなく、土地の品種で土地の味を持ったワインをもう一度造りたいと考えていた。そのころ、自分用に作っていたモスカートを友人に分けていた。その中には地元の名店ミシュランの星付きレストラン、「バッコ」のオーナーシェフ、フランコ・リカーティもいて、その彼から「地元のモスカートのうまさが出ているワインを本格的に造ったらいい、お前なら出来る」と、背中を押された。